ポートランドのクラフトブルワリーで働く道
ポートランドまで来られる日本人の中でクラフトビールファン及びギークが大勢いらっしゃいます。お陰様でそのビール好きの日本人はよくビールツアーに参加してくれます。でも、ツアーよりもっと深くポートランドのビールシーンを体験したい日本人はやっぱりいますね。より深い経験の一つはビールのボランティアをすることです。当然、もう一つの深い経験はポートランドの醸造所で働いてビールを造ることです。
和泉俊介さん。
日本人ビールギークなら憧れの経験ですね。ブルワーたちと一緒に作業をしてポートランダーに自分の手が加えた美味しいクラフトビールを飲んで頂く。いいね。。。でも、実はポートランドのブルワリーで働く日本人に会ったことがなかったです。やっぱり、醸造所で働くことが大変難しいです。
そう思いながらこの間に有名な「Commons Brewery」(コモンズ•ブルワリー)で働いている和泉俊介(いずみしゅんすけ)さんにお会いしました。ポートランドの醸造所で活躍する日本人は基本的にいないので和泉さんのことは少し革命的です!ですから11月にコモンズブルワリーを訪ねて和泉さんの取材といたしました。
このようなしごとならハッピーですね。
和泉さんはコモンズブルワリーで正式な社員ではなく、研修生です。実は普段、和泉さんは日本の大企業のサラリーマンです。有休休暇をまとめてとり、5週間コモンズでビール造りの勉強をしながらビールの作業をしています。
和泉さんのストーリーは結構面白いです。昔からビール好きで、Tokyu Handsで買った自家醸造キットを通じてビール造りを勉強してアルコール1%未満のビール(注: 日本では法律上アルコール1%未満であればビールにもお酒にも該当しません)を造りました。ビールは好きでも15年間、会社でずっと頑張ってブルワーになることは考えなかった。そして、最近、和泉さんは自分の人生に関して「これから先20年〜30年をどうするか?」と思ったそうです。その答えの一つとしてビールへのパッションが和泉さんをビール造りへの勉強を再開させました。
なお、ビールや醸造を勉強する道はたくさんあります。日本国内の大学や専門学校でも勉強もできるし、アメリカの大学(例:カリフォルニア大学のデービス校)で勉強もできますが、複数年間の勉強が必要となります。サラリーマンでそんなに長く休暇を取れない和泉さんはAmerican Brewers Guild(ABG = アメリカの醸造ギルド)のプログラムに申し込みしました。学生さんのウェーティングリストは長い(約2年間)けど2年前に申し込み、今年から和泉さんは(笑)ABGに入校しました。プログラムの内容はDVDとwebによるオンラインコース(4.5月間)、バーモント州にあるABG学校のコース(1週間)、醸造所での研修(5週間)です。そのプログラムによって和泉さんはサラリーマンでいながらビール造りの勉強ができています。6週間、日本から離れることを受け入れてくれた会社と奥さんに感謝しています!
学習の適用。
和泉さん曰く、和泉さんにとってプログラムの一番難しいことは言葉です。コースの内容は勿論全て英語になります。でも、ABG学校の講師、他の学生、コモンズのスタッフとは「ビールは共通語」ですから和泉さんはコースの試験をパスしてコモンズの従業員とすごく仲良くしています。
和泉さんの仲間の一人。
なお、ABGプログラムに参加する学生たちは研修をする場所を選ぶことができます。和泉さんは研修先に別のアメリカやドイツの街も考えましたが、やっぱりポートランドを選択しました。和泉さんにとって、ポートランドは「ビールのメジャーリーグ」ですから。また、街は安全であり、醸造所の数が多いこともポートランドを選んだ理由です。
「ビールのメジャーリーグ」の球場の一つ。
コモンズブルワリーで、和泉さんはビール造りのぼぼ全てを経験します。ビールを実際に作ることはもちろん、タンクやケグの洗浄、殺菌、充填、瓶詰め、ラベリングなど学びます。本人は全てをすごく楽しんでいます。これからポートランドの醸造所で研修をしたい、又は勤めたい日本人へのアドバイスはまず日本で自家醸造(アルコール1%未満)をしてビール造りの流れを理解すること。そしてABGのプログラムに参加することが大おすすめです。
和泉さんは今月12月24日までコモンズブルワリーにいますので、和泉さんに是非ご挨拶してみて下さい!和泉さんの将来にGood Luck!